「技術とともに身につけるべきものの話」
プロとして靴を作る場合、
社会の水準に満たない仕事は通用しません。
「作り方覚えたからもう大丈夫」と思って開業すると、すぐに廃業でしょう。
不十分な技術で作られた靴は、
履く人に不快感や怪我を与える可能性があります。
結果として、信頼を失います。
だからこそ、靴作りを学ぶ際には、
作り方以上のものを身につける必要があります。
重要なのは、次の四つです。
- 技術
- 人間性
- 社会倫理
- 職業倫理
これらが積み重なって、初めて信用が生まれます。
技術とは、ただ作れることではありません。
「作り方を覚えたこと」ではありません。
安全で、壊れにくく、安心して履ける靴を作る力です。
そして、
社会に対して責任ある仕事をするという意識がなくてはなりません。
多くの人が
「作り方を覚えれば大丈夫」
と考えがちですが、それだけでは全く不十分です。
作り方は手順です。
手順は、覚えて当然の基礎です。
そこから先にある、
社会に通用する水準を理解しなければなりません。
「作り方覚えただけの靴」と「技術を入れた靴」では、時間とともに評価が現れます。
修理や返品が続くのか。
再注文が来るのか。
履けないと言われるのか。
次の一足を任されるのか。
その差はがでます。
指導する側も、学ぶ側も、
「作れるようになった」だけで満足してはいけません。
社会の中で信頼される靴を作れるかどうか。
そこを目標に据える必要があります。
靴職人とは、
技術だけでなく、責任と倫理を伴う仕事です。
靴によって、健康被害を生み出してしまうことを心がけて作るのです。
それを理解し、積み重ねていくことが、
長く続く職人への道になります。

